これまで長々とプログラムのお話を続けてきたが、各機能を実現するためのプログラミングについてはほぼお話しできたと思う。
ここからは実装に向けて実際のモノをアレコレ加工していくお話になる。
その前にとっても大事な電源のことを付け加えて、これまでの話でどんなものができるのかを色々と考えてみようと思う。
Seeeduino XIAOの電源は5V
大事なことなので見出しで言いました。Seeeduino XIAOの電源は5Vです。そしてスーパーカブのバッテリー電源は12Vです。
あらあらこれではダメじゃないですか。
そう、そのままでは使えないので、電圧を変換してやる必要が出てくるのです。
電圧を変えるというと、電圧計を作るところで抵抗器による分圧のお話をした。それを使えばできるじゃんと思うのだが、実際にバッテリーの電圧を監視してみると結構変動しているのがわかる。普段は12V台だけどブレーキランプが点灯すると11V台になったり、スロットルを捻ってエンジンが軽快に回ると13V台になったりする。
抵抗分圧は元の電圧を割合で分けるので、大本の電圧が上下すれば当然分圧した方も変動する。
これではちょっと使えない。安定的に5Vが欲しい。
そこで少し電子工作をおこなうことになる。
12Vを5Vに変換する三端子レギュレータ
3端子レギュレータという電子部品がある。これは今回の目的にあつらえむきの部品で、ある程度幅のある電圧をバッチリ目的の電圧に変換してくれる。例えば30Vまでの電圧を5Vに変換するとか、嬉しいことをやってくれるのだ。
3端子レギュレータは許容電流値によって色々ある。僕はよくわからなかったので1.5Aまでいけるやつを買ったのだが、大きさが結構嵩張る。後でわかったのだがSeeeduino XIAOが必要とする電流はわずかなもので100mAで十分間に合うので下のものでいいと思う。
三端子レギュレーター 5V100mA TA78L05S
https://101010.fun/iot/arduino-oled-display.html
上のサイトにはデータシートへのリンクが貼ってあるのだが、これは必ずみてほしい。見ればどのように接続すればいいのか、この他に何が必要なのかがわかる(多分)。
データシートによると接続は、
こういうことらしい。そして安定的に変換するには下のように回路を組めと。
いくつかの三端子レギュレータのデータシートを見てみたが、3つの端子間のコンデンサはどのレギュレータでも必要なようだが、上図のVoutから伸びている10μFの電解コンデンサとRLはこのデータシートだけに書かれていたので、僕としてはこれら2つは省いても良さそうだと判断して省いてしまった。ただし真似する人は自己責任で。
そんなわけで0.1μFと0.33μFのコンデンサも必要となる。
ブレッドボード上で接続テスト
上の写真のように接続して12V電源を使って、実際に5Vが出力されるのかどうかテスタで測定してみた。
もちろん正しく接続できていれば5Vが得られるのだが、接続間違いの確認も兼ねているので、皆さんもぜひテストはやってみたほうが良い。
必要部品総まとめ
機能実現のための話が終わったところで必要なものを書き出しておこう。
部品 | 個数 | 単価 | 使うところ | 備考 |
---|---|---|---|---|
Seeeduino XIAO* | 1 | 850円~ | 本体 | |
配線コード* | 6〜10色 | 400円程度〜 | いたるところで | 色分けできたほうが良い ハンドル周りからシフトペダルあたりまで配線するので長さも必要 |
基盤* | 1〜3 | 200円〜 | 作り方によって大きさ・数は変わる | |
三端子レギュレータ* | 1 | 20円〜 | 電源 | 78L05 |
0.1μFコンデンサ* | 1 | 20円〜 | 電源 | セラミックコンデンサ |
0.33μFコンデンサ* | 1 | 20円〜 | 電源 | セラミックコンデンサ |
カプラーピン | 4 | 400円〜 | シフトインジケータ | 1速〜4速信号取り出し用 既存カプラーに追加する |
RTCモジュール | 1 | 400円〜 | 日付時刻表示 | DS3231 |
抵抗器200Ω | 1 | 20円〜 | 電圧計 | |
抵抗器1kΩ | 1 | 20円〜 | 電圧計 | |
抵抗器10kΩ | 1 | 20円〜 | タコメーター | |
抵抗器2kΩ | 1 | 20円〜 | タコメーター | |
フォトカプラ | 1 | 20円〜 | タコメーター | PC817 |
OLED* | 1 | 600円〜 | 画面表示 | 2画面表示も可能 |
ケース* | 1 | 100円〜 | 外装 | お好みで |
その他、自分好みに作るためのものはお好みで揃える。
ここに挙げたものはあくまでもこれまでお話ししてきた機能を実現するために最低限必要なもので、ご自分でアレンジしてお好みに仕上げるためのものは含まれていない。
自身が必要な機能に応じて部品を用意すると良い。例えばシフトインジケーターだけ欲しいのなら、Seeeduino XIAO、配線、基盤、レギュレータ、コンデンサ、カプラーピン、OLED、ケースが必要になる。
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